[アグリビジネス分科会]


座長 渋谷往男 三菱総合研究所(東京)
   電話:03-3277-0777 Email:shibuya@mri.co.jp
幹事 西山 周 金亀建設社長(愛媛)
   電話:089-921-3030 Email:shu@kinkikensetsu.co.jp

 建設業の農業参入は、平成16年に「建設帰農のすすめ」(米田雅子著)が出版されるとともに、各種マスコミにおいても取り上げられ、社会的な認知度は大きくなっています。また、いわゆる「農地リース特区」が特定法人貸付事業として全国展開されたり、農地リース特区の申請の過程で多くの地方自治体が建設業など企業の農業参入に積極的な姿勢を取っていることが明らかになるなど、参入についての環境整備は急速に進んできました。国や地域社会からは建設業の農業参入の意義が認知されていると思います。
 しかし、農業に取り組む建設会社の課題が解決しているわけではありません。基本的な農業の低収益性に加えて、農業経験の短さから来る技術的・経営的課題は依然として大きく、利益という最終目標で満足している建設会社はまだまだ少ない状況です。これが参入企業の悩みの種になっているとともに、予備軍の企業においても参入をためらう要因となっています。
 一方で、農業での短期的な収益性向上を望むあまり、農業本来の自然循環機能が失われつつあることも指摘されています。大量生産・大量消費・大量廃棄という20世紀型の産業社会を超えて、21世紀型の産業社会を考える際に食品廃棄物や農業系残さなどをバイオマス資源として捉え物質やエネルギーとして再利用する有機リサイクルを再構築するような農業本来の循環機能を活用することが求められています。建設業という異業種から参入した農業は20世紀型の産業社会としての農業を追いかけるのではなく、異業種なりの視点と技術をもって21世紀に求められる循環を基本とした産業社会の一環で農業と関連事業を考えていく必要があるのではないでしょうか。本分科会の名称をアグリビジネスとしているのも、従来の枠組みの農業だけではなく、農業を核とした他産業との関わり、広がり、可能性をビジネスの視点で考えていくためです。
 そこで、アグリビジネス分科会では、まずは建設業が地域の中でいかにして安定的な農業経営を行っていけるか、を考えていきたいと思います。これは、単に一企業の生き残りではなく、地域経済や農地保全などの公共的な役割の中で考えていく必要があります。さらに、地域社会全体との関わりの中で農業を中心とした循環型産業をいかにして構築できるのか、そのためにはどのような仕組みや技術が必要なのかを幅広く考えていきたいと思います。